一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
『町内の掃除は終わった?』
きっと嘘だということなどお見通しだろう専務は、クスリと笑い声をあげた。
「ええ、終わりましたが、私はまだ掃除中ですし、用意もできていません」
あっ。用意って出かける気があるみたいじゃない。
「ねえ? ママ。早く行こうよ」
いつの間にか、ちゃっかりとお出かけ用の帽子をかぶり、私の足元で服を引っ張る真由。
『今の真由ちゃん? 咲綾が用意できるまであそこにあった公園で待ってる。それならいい?』
「え? 公園?」
驚いて声をあげた私に、下にいた真由はぴょんぴょんと喜んで飛び跳ねる。
ここまでされて、帰ってくださいと言えるわけもなく私は諦めて声を発した。
「真由を連れていきます。本当にいいんですか?」
『ああ、待ってる』
柔らかな声に、私は電話を切ると慌ててメガネをかけ、ジーパンをはき真由の手を取った。