一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

その後、約束通り真由の見たかったイルカショーを見て、遊園地で観覧車に乗ったりと、あっという間に時間は過ぎていった。

いつものお昼寝の時間も忘れはしゃぐ真由だったが、さすがに夕方にさしかかり限界そうだった。

「真由、もうお昼寝したら？」
私のその言葉に、真由は目を見開き首を振る。
「まだあそぶー」
そうは言いながらも瞼が閉じていく真由に、真翔さんと顔を見合わせて苦笑する。

「真由ちゃん、またいつでも来れるから」
真翔さんはベビーカーの前にしゃがみこむと、真由の頭を撫でる。
「まなくん、ほんとう？」
眠い目をこすりながら、真由は必死に真翔さんに問いかける。

「うん、約束」
「真翔さん！」
私の小さな呼び声は真由には聞こえなかったようで、安心したように目を閉じた。

「勝手な約束をした……かな」
立ち上がりベビーカーを押しながら、真翔さんは私に視線を向けた。

「いえ、あ……だって」
どう答えるか思案する私に、真翔さんは真剣な瞳を向ける。

「俺はまた３人で出かけたいと思ったから」
「でも……」

またいなくなられたら今度は私だけではなく、真由までも傷つけることになる。
前科持ちのあなたを信用していいの？

そんな思いで真翔さんをチラリとみると、真面目な瞳とぶつかる。
それ以上なにも言えないまま、私たちは家への帰路へと着いた。