一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
「さっきの男がまた来たらどうする? 咲綾だけならともかく真由ちゃんになにかあったらどうするんだ」
静かに言われた言葉だったが、少し語尾が強く聞こえ私は言葉に詰まる。
「咲綾が準備をしてこないのならば、すべて買ってでも俺の家に連れて行く」
もう真翔さんの中では決定事項なのだろう。
今にも車を発進させそうな真翔さんに、私はどうしようと考える。
確かに、さっきの恐怖がよみがえり真由と二人になるのは本当は不安だ。
このまま真翔さんに頼れるのならば頼ってしまいたい。
でも、それは真翔さんと一緒に住むということになってしまう。
本当にいいのだろうか?
自問自答をしていると、真翔さんがシフトレバーに手をかけるのが見えた。
「わかりました。少しだけ待っていて下さい」
その言葉に、真翔さんは少し微笑んだ。
「真由ちゃんママ車でちょっと待ってよう」
「はーい。真由お腹すいた。早くね」
その言葉に、私は急いで車を降りた。