一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
色々なことがあり、頭が通常通り働いていなかったのかもしれない。
言われるがままに荷物をまとめ、簡単に夕食を食べた後、真翔さんのマンションへと着いて、ようやく自分のしようとしたことが現実に感じられた。

都心のかなり高級だろうタワーマンションの最上階。
エレベーターを降りた瞬間から、別世界のようで私はキョロキョロと周りを見た。

このフロアにドアは一つしか見当たらず、真翔さんは慣れた手つきでそのドアをカードキーで開けると私と真由を促す。

「すごーい!」
「こら真由まちなさい!」
広い玄関で、真由の靴をそろえながら声を掛ける。

「いいよ。咲綾」
そう言いながら、真翔さんは真由を追って中に行ってしまう。
「おじゃまします」
誰もいなくなった玄関でそう呟くと、私は躊躇しつつ足を踏み入れた。
緊急事態とはいえ、男性の一人暮らしにくることなど初めてだ。
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