一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

「事件の話。犯人は捜しているけど、まだ見つからないみたいだ」
早く出て行かなければと思っていた私としては、その答えに何とも言えない気持ちが広がる。

「そうですか……」
「見つかるまで二人はここにいればいいから。俺もこうして美味しい料理が食べられるし」
さっきの微妙な空気はなかったかのように、真翔さんはいつも通りの柔らかい笑みを浮かべる。

「でも……」
「でもは認めない。こんな状態で二人を家に帰して何かあったら俺は自分を許せない」

そんな正義感いらないのに。
そうは思うも、やはり小さい真由を抱えて家に戻る勇気がでず、私は「もう少しお世話になります」と頭を下げた。



< 143 / 299 >

この作品をシェア

pagetop