一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

「咲綾、起きてる?」
膝を抱えてそこへ自分の頭を乗せて、映画を見ていた私はその言葉にゆっくりと顔を上げた。

「起きてますよ」
そうは言ったが、ふわりと心地のよい眠りが襲い、目が閉じそうになり慌てて私は目を開けた。

「寝ながらみたら?」
そう言った真翔さんの言葉の意味が解らず、私は首をかしげると同時に、そっと肩に手がかかりコロンと横にされる。
それは真翔さんの膝の上に置かれていたクッションに頭を乗せる形になり、私は慌てておきあがろうとした。

「楽だろ?」
それはそうだが、この姿勢は……。
そうは思うも、ふわふわのクッションは心地よく私が真由にするように肩をポンポンとリズムよく叩かれると、だんだんと瞼が落ちていく。

久し振りの酔いと、心地よい温かさに包まれ、私は静かに眠りに落ちて行った。

ふわりと頬に温かい感触を感じたが、それが夢なのか現実なのか私にはわからなかった。

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