一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
「いつも咲綾、自分のことになると表情がこわばるから。聞かれたくないことかなって」
真翔さんはコーヒーカップをコトンとテーブルに置くと、真っすぐに私を見た。
「そうですか?」
自分では解らなかったが、自分のことを知られないようにしていたのかもしれない。
私はキュッと唇を噛んだ後、息を整えるとゆっくりと言葉を発した。
「地元は、東北の小さな町です。両親はそこで教師をしてると思います」
その私の言葉に、真翔さんはゆっくりと疑問を口にした。
「思います? ……ずっとご両親とは?」
「連絡を取っていません。勘当されてるんです私」
言葉にして、またもあの苦く辛い気持ちが広がる。
きっと真翔さんも疎遠になっていることは知っていてこの問いをしたのだろう。