一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

グルグルといろいろなことを考えている間、真翔さんは何も言わずにいてくれた。

「今の私は両親の恥なんです」
静かにいった私に、真翔さんが確認するように言葉を発した。

「それは咲綾がシングルマザーだから?」
「そうですね。結婚もせず真由を生んだから」
静かに頷いた私に、真翔さんは驚いた顔をした。

「結婚しなかったんだ」
そのことを言うつもりもなかった私だが、つい言ってしまった言葉を後悔するも、今更遅い。
黙り込んだ私に、真翔さんは言葉を選んでいるように見えた

「咲綾は、真由ちゃんの父親をまだ思ってる?」
「え?」
言っている意味が解らず、私は顔を上げると真翔さんを見た。

「咲綾まだそのの人に気持ちがある?」
その人に気持ちがあるのか?
私はその問いを頭の中でくりかえす。それはすなわち目の前にいるこの人に気持ちがあるかどうかという質問だ。

もちろん真翔さんはそんなこと知る由もないが……。
知らないからこそ、私は少しだけあの時の気持ちを話したくなった気がした。
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