一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
「ごめんなさい。電話気づかなくて」
謝った私に、真翔さんは柔らかな笑みを浮かべた。
「何もないならいいんだよ。電話にこんなに出ないことがないから心配した」
そう言いながら、真由にも「ただいま」と笑みを浮かべる。
「あっ、でも……」
「どうした? やっぱり何かあった?」
言葉を濁した私に、真翔さんは歩きながら少し表情を曇らせた。
「あったと言えばあります……」
私はリビングに入ると、黒焦げになった生姜焼きのフライパンを真翔さんに見せた。
「なんだ。こんなことか。体調が悪いとかじゃなくてよかったよ」
そう言いながら私の髪を撫でた後、そっと頬に触れすぐにその手は離れた。
「真由ちゃん、何食べようか? ピザは?」
そんな真翔さんの提案に真由はピョンピョンとピザピザと飛び跳ねる。
「本当にごめんなさい」
小さくため息を付いた私のそばに真翔さんは来ると、ジッと私を見つめる。
「でも珍しい。咲綾が焦がすなんて。……何か考え事でもしてた?」
先ほどまでの笑顔じゃなく、少し真剣な真翔さんの瞳に私はドキっとした。