一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
その日、会議がほとんどだった真翔さんと、ほとんど顔をあわすことなく私は定時で退社した。

保育園へ真由を迎えに行くと、私はそのまま久しぶりに自分の家へと向かう。
「あれ? 今日はまなくんちじゃないの?」
久し振りの道を歩きながら、真由が不満げな声を上げる。

「うん、お家なおったんだ」
その言葉に、真由は明らかに悲しい表情を見せた。

「そうなんだ……」
「真由、まなくんのお家がよかったの?」
返事など聞かなくてもわかりそうだったが、私の問いに真由は意外な言葉を発した。

「だって、パパがいるみたいだったもん」
その言葉に私はハッと真由を見る。

まだ三歳、きっとまだパパの存在はわからないそう思っていた。

初めて真由の口からきいた「パパ」の単語に、私はしゃがみこむと真由を見つめた。

「真由……」
ごめんね。その言葉を飲み込むと、ギュッと真由を抱きしめる。
こんなママでごめんね。
何もうまくできない。
自分のことでいっぱいいっぱいの自分は最低な母親だ。
そう思いながら、私は久しぶりの家へと帰った。
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