一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
家に着くも、冷蔵庫の中のものはもちろん傷んでいた。
そんなことすら頭になかった私は、仕方なく真由をつれて買い物に出かけた。

「お外で何か食べちゃおっか?」
そんなことを言うも、真由もあまり元気がないようで、家で食べたいという。
もちろん、朝ごはんの食材もいるしと、結局スーパーで買い物をして家に帰ると、ずいぶん遅くなっていた。

どれだけ情緒が不安定だろうが、寝不足で体調が悪かろうが、やらなければいけないことは、しなければいけない。

それが自分の家に帰ってきて、嫌になるほどわかる。

どれだけ真翔さんに甘えて、この数カ月過ごしていたのかを実感した。

バタバタとご飯を作り、お風呂掃除をして、とりあえず真由をお風呂に入れて寝かしつける。

ようやく真由を寝かしつけて、殺伐とした我が家にため息が零れた。

いつしか真翔さんの家が、温かな空間になっていたことに気づく。

何もしたくなくてぼんやりと無音な部屋でどこを見る訳もなく座り込んだ。
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