一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
そこへドアのインターホンがなる。
何も考えていなかった私は、ただぼんやりと玄関へ向かうと扉を開けた。
「誰か確認ぐらいしろ、いくらストーカーが捕まったとはいえ危ない」
その言葉と姿に私は驚いてドアを閉めようした。
「咲綾!」
その言葉と同時に、足が踏み入れられて、私はおもいきり真翔さんの足を挟んでしまう。
「痛っ」
その言葉に、反射的に私は力を緩めた。
しかし、それと同時に真翔さんは足を中へと踏み入れた。
「咲綾、悪い。どんなことをしてでも話したかった」
足はなんともなかったようで、真翔さんは悲痛な面持ちで謝罪をすると私の正面に立つ。
「何を話すって言うんですか?」
昨日の気持ちを引きづったままの私は、小さく呟くと俯いた。
私がこんなことを言える権利など何もないし、むしろお世話になったお礼を言わなければいけない。
そんなことわかっているのに、どうしても理性がうまく働かず、卑怯にも涙が零れ落ちる。