一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
その日の午後、真翔さんは取引先へと外出をしていて私は一人資料をまとめていた。
そこへ内線がなり、私はパソコンに視線を向けながら受話器を取る。
『あの、お客様です』
いつもハキハキと話す受付の女の子の、少し困惑した声に私はキーボードを打っていた手を止めた。
「どなたですか? 専務は外出中ですが」
『いえ、松永さんに』
「私……ですか?」
私宛に来る人などそういない。誰?
そう思ったところで、急に受付の女の子の戸惑う声とともに、『どうも』と低い声が聞こえた。その声になぜかゾクリとして心臓がバクバクと音を立てる。
どうやら良い訪問ではないと悟り、私はゴクリと唾液を飲み込む。
「いまから行くから待ってて」
軽い口調でそう言うと、受話器の向こうから無機質な音が聞こえた。