一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
グッと、血が出るほど自分の唇をかみしめていた私は、強引に蓮人さんに顎に手をかけられ上を向かされる。
「考えておいて」
そっと私の唇に触れようとする蓮人さんを、おもいきり叩きはらう。
「気の強い女は好きだよ」
それだけを言うと、蓮人さんは専務室を出ていった。
パタンと無音の部屋に扉の閉まる音が響くと、私はその場に座り込んだ。
真翔さん……。
私はどうすればいいの?
ギュッと目をつむると私は真翔さんの名前を心の中で呼んでいた。