一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

「真由のお迎え、今日は礼華ちゃんにお願いした」
「え?」
今の電話の相手が礼華さんだと分かり、私は驚いて真翔さんを見た。

「真由には申し訳ないけど、今日は咲綾を優先したい」
真翔さんの言葉に、この弱り切った今の私では真由にも笑える気がしなくて素直に頷いた。

家に帰ると、着替えて二人でソファに座る。
何から話すべきかわからなくて、考える私に真翔さんが問いかける。

「蓮人さんと俺たちの間柄は聞いた?」
「はい。従妹だって」
聞いたまま答えた私に、真翔さんも小さく頷いた。
「兄貴の2つ上かな。小さいころからライバル視されてたから、きっと最近の俺の様子を探らせていたんだろうな。咲綾がいろいろ言ってくれたのにすまない」
申し訳なさそうに言った真翔さんの言葉に、私は小さく首を振った。
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