一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
「咲綾は俺がお見合いしてもいいんだ」
その意味不明の言葉に、私は驚いて真翔さんを見上げた。
「どうしてそうなるの……」
真翔さんのことを考えたつもりだったのに、どうしてこんな風に責められるのかわからず私はどんどん悲しくなっていく。
真翔さんが大切だから、副社長も礼華さんも大事な人だから。
あんな人が社長なんていい訳ないと思っただけなのに。そんな思いがブワっとこみ上げる。
泣きそうになるのを我慢していると、いきなり抱き上げられ、ソファに押し倒される。
「え?」
急に視界が変わった私は困惑して声を上げた。
至近距離にある真翔さんの顔は、今まで見たことがない表情で、何かを耐えるように歪んでいた。