一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

「責任って……。責任だけで咲綾と真由といると思ってたってこと?」
「だって、そうじゃない。私、真翔さんの気持ち聞いたことない!」
叫ぶように言った私は、温かい体温と重みに包まれる。
「噓だろ……」
私の首筋に顔を埋めると、真翔さんは吐き出すように言葉を発した。

「咲綾は俺の毎日の言葉や、キスをどう思ってたわけ?」
そのままの場所で真翔さんは私に問いかける。

「どうって……。真由の両親としてうまくやっていこうと思ってくれてるって……」
私の返事に、真翔さんはさらに大きくため息を付いた。

「そうだよな。俺が悪い。副園長先生や、蓮人さんとか現れて嫉妬した。それで焦ってうまくできなかった」
そう言うと、真翔さんはもう一度私の顔を真っすぐに見つめる。

「咲綾、真由が俺の子じゃないと思っていた時から、俺は咲綾が好きだ。真由を自分の子として育て行く決心さえしてた。それぐらい咲綾のことが大好きだよ」
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