一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています
え?
予想もしていなかった言葉に、私は放心していたのだろう。
そのままの姿勢で真翔さんを見つめていた。
「俺だけが好きなのはわかってる。まだ咲綾が俺のことを好きになれないのも、一方的な俺の気持ちだってことも、でも、あの副園長にも蓮人にも咲綾は渡したく……」
「私だって真翔さんが大好きです!」
考える間もなく、私は叫ぶように真翔さんの言葉を遮っていた。
「え?」
今度は真翔さんが困惑した表情を見せた。
「4年前は一瞬で恋をして、今は真翔さんの優しさや強さが好きです。どうしようもないほど。だから、だからこそ身を引かなきゃって……」
そこまで言ったところで、涙が零れ落ちて言葉にならなくなった。
ようやく言えた気持ちと、真翔さんの言葉がまだ信じられなくてグチャグチャな気持ちの私を、真翔さんは力ずよく抱きしめる。