一夜の過ちで授かったら、極上御曹司に娘ごとたっぷり溺愛されています

「あの、少し遠いですけど本当に大丈夫ですか?」
私の言葉に、運転席にいた専務が表情を和らげたのがわかった。

「いいよ。住所を教えて」
真由は、もうすでにチャイルドシートに座りウトウトしている。
ここはもう甘えるしかないと、私は住所を告げた。

それを慣れた手つきでナビに入力すると、音もなく車が発進した。
真由が眠るのに気を使ったのか、来るときはかかっていた音楽もなく静かな空間が続く。

真由の寝息が規則正しく聞こえてきたところで、私は運転する専務の横顔を見つめた。
暗い中でも、街の明かりが車内に入るたび、そのきれいな顔が浮かび上がる。

「今日は本当にありがとう」
見ていたことがバレたのだろうか?
そう思うほど、タイムリーに専務が声を発した。

「え? お礼を言うのは私の方で」
慌てて言った私に、専務が少し苦笑するのがわかった。
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