セレナーデ ～智之
小学校受験の 準備を始めた樹。
智之達兄弟は 小学校は公立で 中学から受験した。
入学して 智之は 小学校から 付属の生徒達の 結束に驚いた。
兄も 同じように感じたのだろう。
だから 子供達は 小学校から 付属に入学させたいと 言っていた。
智之達が 卒業した大学の 付属小学校は
とても人気があり 倍率が高い。
受験する子供は 樹の年頃から 準備を始める。
幼稚園の後の 幼児教室に 下の子を連れて行くのは とても大変だった。
翔を 母に預けるだけで 義姉は とても助かっていた。
「幼稚舎の受験って 本当に大変なの。年中になったら 教室を増やさないと。」
義姉は 驚いたように言う。
「できる限りのことは してあげよう。俺とお母さんも 協力するからね。」
父は優しい目で 遊んでいる樹を見た。
この先 絵里加も 同じように 受験をするだろう。
それまでに 親として できる事は 全部してあげたい。
絵里加が 楽しんで 余裕を持って 受験できるように。
父に抱かれる 絵里加を見ながら 智之は思っていた。
