余命2ヶ月の少女は総長と恋に落ちる
「…っ、透花!逃げんな…」
蓮華の人がみんな追いかけてきた。
そして、呼吸器を使うわたしを見ると
静止した。
もう、言ってしまえば楽かもしれない。
「七瀬、?大丈夫か…?」
「姫さん…?」
「透花、」
「…わたしさ、後1ヶ月しか生きられれないんだよね」
全員の顔が引きつった。
「意味わかんない心臓病でさ、今の医療じゃ無理ですって。笑っちゃうよね。
大量の薬と呼吸器がなきゃやっていけないの。だからさ、姫なんて大役わたしには無理なんだ。
わたしはもう死を待つだけなの。
わたしのことは忘れて、わたしなんかより
強くて可愛くて元気のいい姫探しなよ。
…来世あたりで、会えたらいいね」
弱音を吐いて、怖い死にたくないって
言わなかったのは、ほんの少しの強がり。
立ち上がって、歩き出した。
これでもう、追いかけてくるはずがない。
わたしなんてもう、いらないんだから。
「っ、待てよ透花…!」
は、意味わかんない。
ねぇなんで、また踏み込んでくるの…?
「倉庫、きて」
わたしの手を掴むと、歩き出した。