愛は惜しみなく与う⑤
少し落ち着いてから話してくれた


「俺の奥さん可愛いだろ?けどな、元レディースの総長なんだ。だから怖いんだよ」


俺に小声でそう伝えた。
そう、か
なんだか杏を思い出させるような、突然のキレ具合だったから、納得


「さ、コーヒー淹れ直したから話しましょ」


もとの雰囲気に戻った奥さんは、何故か俺の隣に座り、ハザマさんと向き合う形に


「私もね、あなたが前から何か隠してることが気に食わなかったのよ。それと関係してそうだから、いっそのこと話しなさい」


笑顔でニコニコとそう言うが、圧がすごい

まさかの強い人が味方になった



観念したのかハザマさんはポツポツと話し出した



「お前を…あそこから救うのにあまり噂のよくない所から情報を買った」


一言目でそう言うハザマさん
お前をあそこから救う。お前とは、奥さんのことだろう。救うっていうのは?

俺は分からなかったが、隣の奥さんはわかったようで


「……なんで今まで言わなかったのよ」


顔を手で覆い下を向いてしまった
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