愛は惜しみなく与う⑤
「俺の奥さんはな、昔、裏ショーパブで働いてたんだ」

裏ショーパブ?
それがどんなものかも分からないから、なにも言えなかった


「こんな若い子にショーパブなんて言っても分からないわよ」


そう言って奥さん自身が話し出した



「レディースの時にね、事故にあったの。事故に遭ったのか、事故に遭わされたのか…今では分からないんだけどね。その相手が最悪で…お金持ちの政界の人を怪我させたの。
私の家は貧乏で、そんな人に払うお金もなくて…それで、売られた」

「売られた?」


「金持ちの汚い人たちしか来ない、裏の店よ。女を見世物にする、最低な店。あたしはそこで働かされたの。お金を払うために」


そういうことか
裏ショーパブというのが何かわかった瞬間、胸糞悪くなった


「それでね、ちょうどそのショーパブのオーナーの男に対して、お金を貸して飛ばれて…探し回ってたのがこの人なの」


奥さんはハザマさんをチラリと見た

蕪木組の仕事で、貸したお金を回収していた時、ちょうどそこの店に行ったのがハザマだという
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