愛は惜しみなく与う⑤

「俺の役目は、金を回収すること。別にこの裏ショーパブを潰すなんて考えてなかった。ただ金を返してもらう。それだけだった。でもな、この店の実態を知ってしまって…こんな若い女が、無理矢理働かされてるのを知って…俺は勝手に動いた。

組長には言わずに独自で調査して、この店をつぶす情報を得ようとした。


一目惚れだったんだ。この人に。助けて…あげたかった」


ハザマさんは頭を抱えて下を向いてしまった。奥さんは隣で涙を流した


そんな、出会いだったのか


「どうしても助けたくて、でも、組長の手は借りれないし。そこで…初めてスコーピオンの存在を知った」


話してくれる気になったのか、ハザマさんの口からようやくその言葉を聞けた

スコーピオン

それはハザマさんがスコーピオンと関わりがあった事を示した



「そのスコーピオンがさ、あの店を潰せるネタを持ってるって。躊躇いもなく買ったよ。どうしても助けたかった。組長には申し訳ない気持ちだったけど…独断で全てやった」
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