へたくそなキスのままがいい
廉と会うのは3年ぶりだった。
大学に入ってから私は、実家を出て一人暮らし。
家族ぐるみといっても、家が隣とかそういうのじゃなくて、父親同士が高校の同級生で、『たまには会おう』っていうレベルの定期会のようなものだった。
だから、実家を出てから3年間、私はその定期会に参加せずに過ごしてきたし、廉とも全く会っていなかった……んだけど。
「わかんないなら、もっかいする?」
再会して早々、私はこの生意気に成長した廉に唇を奪われたのだ。
……しかも、わりと深めに。