浅葱色の約束。




「その女の子はね、愛情を知らない子だったの」



笑顔が下手で、人と話すのだって下手。

言葉を飲み込んでしまうような女の子。


伝えなければいけない気持ちをいつだって見落としてしまうような子。



「えー、お姉ちゃんとは正反対だね!」


「ふふ。本当?」


「うん!だってお姉ちゃんの笑った顔もお話も、みんなを幸せにするもん!」



だけどそれは、きっと誰にだってあるもの。


苦しみも、哀しみも。

嬉しさも、怒りも。


そういうものは誰にだってあるもの。


それでも彼が少女に託したものは、約束は。

いつだってその子の背中を押してくれた。


空を見つめれば彼等はその大きな青空へと映し出される。




「1つだけ先に言っておきたいのはね、彼等は今も生きているってこと」




約束は、そこに命だって吹き込んでくれるから───。



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