浅葱色の約束。




まだ戦は終わっていない。

それでもこの決断を下したということは、彼等はこの戦に白旗を上げつつあるということだった。


これ以上仲間を失うのは後免だと。



「斎藤、お前はどうする」


「…俺は会津に忠誠を誓った身。会津公の元で最後まで戦います」


「…そうか」



仲間がどんどん離れていく。

この場所もそこまで広くはない一室だというのに、随分と広くて静かだ。



「総司、お前は───」


「僕は江戸に帰りますよ」



え…?

いま、なんて…?



「…もう戦えそうにありませんから」



力なく笑う顔に嘘も偽りもなかった。


解散…、そんな言葉が頭の中をループして離れない。

土方さんに最後までついて行くと誓った隊士が殆どだったけど、それでも私が知っている顔は3人しか居なかった。


土方さん、近藤さん、そして私。



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