浅葱色の約束。




「あっでも梓!ちゃんと体拭いとけよ!夏でも風邪引いたら大変だから!」



藤堂さんはスタスタと屋敷内へと戻って行った。


ここへ来て気づけば1ヶ月程。


いつの間にかみんな普通に話してくれて、もちろん最初は警戒されたし私自身無口で無愛想だとずっと言われていたけど。

それでもこの人達は仲間のように接してくれる。



「あーもうこんなところに居た。梓、近藤さんが呼んで───…」



その少女の笑顔を一番最初に見たのは沖田 総司だった。

果物の果実が弾けるような、年相応な笑顔では無かったとしても。


とても幸せそうに、嬉しそうに。


目を奪われるほどの大きな贈り物ではなく、それは大切な人からの手紙をそっと渡された子のようだったという───。



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