パンデミック.新形コロナウイルス
あかりは、最初から自分の足で外の世界へ帰ることなどできない運命を背負っていた。
私にはいつの日か訪れるはずの「退院」という未来が、あかりには存在しない。白血病という残酷な病魔に縛られた彼女は、この白い病棟の地下から一歩も外に出ることができないのだ。
だからこそ、あかりの胸にあったのは、いつか自分がここを出ていく恐怖ではない。私が、そして何より大好きなニコルが、いつの日か自分の前から去ってしまうのではないかという、どうしようもない別れの切なさだった。
外の世界を知ることもなく、ただ病院という名の限られた世界のなかで、限られた人々の温もりだけを頼りに生きる少女。退院できるはずの私が、それでもこの場所にすがりつき、あかりとニコルと一緒に時間を止めてしまいたかったのは、そのあまりにも過酷な現実を抱えた彼女の孤独に、少しでも寄り添いたかったからにほかならない。
私にはいつの日か訪れるはずの「退院」という未来が、あかりには存在しない。白血病という残酷な病魔に縛られた彼女は、この白い病棟の地下から一歩も外に出ることができないのだ。
だからこそ、あかりの胸にあったのは、いつか自分がここを出ていく恐怖ではない。私が、そして何より大好きなニコルが、いつの日か自分の前から去ってしまうのではないかという、どうしようもない別れの切なさだった。
外の世界を知ることもなく、ただ病院という名の限られた世界のなかで、限られた人々の温もりだけを頼りに生きる少女。退院できるはずの私が、それでもこの場所にすがりつき、あかりとニコルと一緒に時間を止めてしまいたかったのは、そのあまりにも過酷な現実を抱えた彼女の孤独に、少しでも寄り添いたかったからにほかならない。