パンデミック.新形コロナウイルス
薄暗い病室の片隅で、僕はこらえきれずに涙を流しながら、ニコルや南ちゃんに震える声で問いかけていた。
「どうして……どうして世の中はこんな風になってしまったんだろう……」
テレビ画面では、今日も懸命に医療を続ける病院のクラスターが面白おかしく叩かれている。一生懸命に人を救おうとしている人たちが、なぜ悪者のように責め立てられなければならないのか。僕の問いかけに、ニコルも南ちゃんも言葉を失い、ただじっとうつむいたまま、僕の背中を優しく、そして力強くさすって慰めることしかできなかった。
熱を帯びた声で、僕はふたりに向かって叫ぶように言った。
「もし、ここでクラスターが起きたって、この病院は、あの人たちは悪くないよ……! たとえここで何があったって、僕は絶対にこの病院をかばうから。たとえ誰かがどこかに遊びに行って感染したって、どんな理由があったって、僕はぜんぶかばい通すから……!」
理不尽な世間の目や、冷酷な正論ばかりが飛び交う世界に向けて、僕の剥き出しの言葉が静まり返った病室に響いた。ふたりは何も言わずに、ただ痛切に震える僕の背中にそっと手を添え続けてくれていた。
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