パンデミック.新形コロナウイルス
地下の薄暗がりが、熱を帯びた吐息と甘い匂いで満ちていく。あかりとの濃厚な時間のあと、シーツの湿ったシミがまだ生々しく残るその場所で、今度は夏美とニコルが僕の前に立っていた。
「ねえ、アキオ君、さっきのやり方じゃ全然足りないよ」
風俗という荒波を生き抜いてきたふたりは、プロのそれとは違う、どこか退廃的で容赦のない手つきで僕を追い詰めていく。社会の裏側を知る彼女たちの熟れた技術と、容赦ない言葉責めが、僕の理性を根底から溶かしていく。夏美が口元に含んだものを意地悪く僕に渡し、ニコルがそれを煽るように笑う。ふたりの容赦ない挟み撃ちに、僕は快楽のなかに溺れ、声を漏らすしかなかった。
シーツは瞬く間に再びびしょびしょに汚され、僕は息を切らせて天井を見上げた。あんなにも乱されたというのに、不思議と嫌な気はしなかった。死と隣り合わせのこの病院の地下で、欲望のままにすべてを剥き出しにする彼女たちと僕の時間は、夜の闇のなかでどこまでも深く、狂おしく続いていった。
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