パンデミック.新形コロナウイルス
「いつまでもそんなところでウロウロしてたら、今すぐ警察を呼ぶからな!」
僕が怒声を浴びせると、異様な気配とただならぬ狂気に気圧された夏美の両親は、顔を引きつらせながら後じさりし、やがて慌てて逃げ出すように去っていった。
静けさが戻った部屋で、張り詰めていた糸がプツリと切れたように、夏美はうずくまり、さっきミスタードーナツで食べたものや胃の中のものをすべて床に戻してしまった。極度の緊張と恐怖が、彼女の限界を超えさせていたのだ。
汚れた床を見て立ち尽くす周囲をよそに、僕はその光景にどこか異常な愛おしさを覚えていた。恐怖に耐え、すべてを吐き出して震える彼女の痕跡。僕はそれを拭き取るどころか、自らの手ですくい上げ、自分の顔や体に塗りつけながら夢中で掃除をし始めた。
「……ちょっと、信じられないんだけど。なんでまたそんなことになっちゃうのよ……」
あかりたちは、そのおぞましくも常軌を逸した行動に絶句し、あきれ返るのを通り越して引きつった笑みを浮かべるしかなかった。それでも僕は止まらなかった。すべてを受け入れ、狂気の中で夏美を抱きしめ続けることだけが、この病院の底で生きる僕らの証明だった。
僕が怒声を浴びせると、異様な気配とただならぬ狂気に気圧された夏美の両親は、顔を引きつらせながら後じさりし、やがて慌てて逃げ出すように去っていった。
静けさが戻った部屋で、張り詰めていた糸がプツリと切れたように、夏美はうずくまり、さっきミスタードーナツで食べたものや胃の中のものをすべて床に戻してしまった。極度の緊張と恐怖が、彼女の限界を超えさせていたのだ。
汚れた床を見て立ち尽くす周囲をよそに、僕はその光景にどこか異常な愛おしさを覚えていた。恐怖に耐え、すべてを吐き出して震える彼女の痕跡。僕はそれを拭き取るどころか、自らの手ですくい上げ、自分の顔や体に塗りつけながら夢中で掃除をし始めた。
「……ちょっと、信じられないんだけど。なんでまたそんなことになっちゃうのよ……」
あかりたちは、そのおぞましくも常軌を逸した行動に絶句し、あきれ返るのを通り越して引きつった笑みを浮かべるしかなかった。それでも僕は止まらなかった。すべてを受け入れ、狂気の中で夏美を抱きしめ続けることだけが、この病院の底で生きる僕らの証明だった。