パンデミック.新形コロナウイルス
誓いの瞬間
式場の熱気が最高潮に達する中、ふっと空気が変わり、病室の扉の前にひとりの男が現れた。
キリスト教の牧師であるキムだった。
世間のありふれた教会からやってきたわけではない。この歪んだ、しかし誰よりも純粋な絆で結ばれた僕たちの空間にふさわしく、どこか影を帯びた、けれど確かな重みを持つ牧師だった。
キムは静かに聖書を開き、ヨハネによる福音書の一節を語り始めた。
その言葉は、綺麗な綺麗事や、表面的などこにでもある道徳なんかではなかった。人間の心の奥底にあるドロドロとした執着や、お互いのすべてを受け入れ合うことの痛みを包み隠さず照らすような、本当に深く、心に染み入る素晴らしい話だった。
聖書の言葉が病室の空気を静かに満たしたあと、キムはまっすぐに僕たちを見つめて、問いかけた。
「――ここにいるふたりは、互いのすべてを、その汚れや傷も含めて永遠に受け入れ、愛し合うことを誓いますか?」
わずかな静寂のあと、あかりは力強く、しかし温かい声で答えた。
「誓います」
そして、僕もまた、震えるほどの確信を込めて答えた。
「誓います、永遠に」
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