パンデミック.新形コロナウイルス
二次会の熱気が冷めやらぬ夜更け、僕らは地下の職員用エレベーターに乗り込み、一気に病院の屋上へと駆け上がった。
重い扉を開けると、冷たい夜風が一気に吹き抜け、頭上には息をのむほど広大な夜空が広がっていた。街の喧騒から切り離されたその場所で、僕ら全員が寝転んだり寄り添ったりしながら、ぽつりぽつりと星を眺めた。
「今日の星は、すごく綺麗だね」
あかりが夜空を見上げながら、静かで透き通るような声でそう呟いた。
その横顔をそっと見つめながら、僕――木田は、胸の内に秘めていたこれからの夢を、抑えきれない衝動のままに口にした。
「ねえ、あかり。この病気が治ったらさ、僕の家に一緒に帰ろう。そして、夫婦円満にずっと一緒に暮らしたいんだ。できれば、子供だって作りたい……それが、僕の夢なんだ」
僕がそう語ったとき、本当は知っていた。あかりの病気が、そう簡単に治るようなものじゃないという残酷な現実を。明日になれば、また元の静かな病室と治療の日々に戻るということを、僕は誰よりも分かっていた。
それでも、あえてその残酷な真実を口にする必要なんてなかった。今この瞬間、星空の下であかりの手を握りしめ、未来の夢を語り合うことのほうが、よっぽど確かな真実だったからだ。
静かな夜空の下でそれぞれの未来に浸っていると、背後から突然「きゃーっ!」という弾けた声が響いた。
振り返ると、ニコルが満面の笑みでこちらへ走ってきた。
「ちょっと、屋上でロマンチックにしちゃってさー! もう、カップルさんたち、最高にいいね!」
ニコルは茶化すようにそう言って僕らをからかい、その場にいたみんながどっと笑い声を上げた。冷たい夜風の中だったけれど、お互いの体温と笑い声が混ざり合い、僕たちの世界はどこまでも温かかった。
重い扉を開けると、冷たい夜風が一気に吹き抜け、頭上には息をのむほど広大な夜空が広がっていた。街の喧騒から切り離されたその場所で、僕ら全員が寝転んだり寄り添ったりしながら、ぽつりぽつりと星を眺めた。
「今日の星は、すごく綺麗だね」
あかりが夜空を見上げながら、静かで透き通るような声でそう呟いた。
その横顔をそっと見つめながら、僕――木田は、胸の内に秘めていたこれからの夢を、抑えきれない衝動のままに口にした。
「ねえ、あかり。この病気が治ったらさ、僕の家に一緒に帰ろう。そして、夫婦円満にずっと一緒に暮らしたいんだ。できれば、子供だって作りたい……それが、僕の夢なんだ」
僕がそう語ったとき、本当は知っていた。あかりの病気が、そう簡単に治るようなものじゃないという残酷な現実を。明日になれば、また元の静かな病室と治療の日々に戻るということを、僕は誰よりも分かっていた。
それでも、あえてその残酷な真実を口にする必要なんてなかった。今この瞬間、星空の下であかりの手を握りしめ、未来の夢を語り合うことのほうが、よっぽど確かな真実だったからだ。
静かな夜空の下でそれぞれの未来に浸っていると、背後から突然「きゃーっ!」という弾けた声が響いた。
振り返ると、ニコルが満面の笑みでこちらへ走ってきた。
「ちょっと、屋上でロマンチックにしちゃってさー! もう、カップルさんたち、最高にいいね!」
ニコルは茶化すようにそう言って僕らをからかい、その場にいたみんながどっと笑い声を上げた。冷たい夜風の中だったけれど、お互いの体温と笑い声が混ざり合い、僕たちの世界はどこまでも温かかった。