パンデミック.新形コロナウイルス
病院の屋上から、なだらかなスロープと階段を伝って、夜の海の砂浜へと直接つながっていた。
なぜこの病院が海に直結しているのか――それは、日光に怯えなければならない患者たちが、ほんの少しでも夏の気配や波の音を感じ、心の底から救われるための工夫だった。外の世界からこの海へやってくる一般の人は、わざわざ裏手の坂を登ってこの屋上を経由しなければならない構造になっており、病院と海が秘密裏に一体化していたのだ。
夜の闇に包まれた砂浜に足を踏み入れると、ひんやりとした砂の感触と、穏やかな潮風が僕たちを包み込んだ。
打ち寄せる波の音だけが響く静かな海原を背景に、僕たちは夜の砂浜に腰を下ろし、波のきらめきを眺めながら、改めてお互いの愛を静かに誓い合った。
世間の目も、病の影も、この瞬間の前ではすべて遠ざかっていた。
すると、背後の波打ち際のほうから、軽やかな足音が近づいてきた。
「ねえねえ、こんなところで何してんの?」
振り返ると、夏美ちゃんが満面の笑みを浮かべてそこに立っていた。
「実はさ、私、この海の家で夏の間ずっとバイトすることになったんだ!」
夏美ちゃんは明るく、弾むような声でそう告げた。しっとりとした夜の砂浜に、彼女の屈託のない笑顔と元気な声が心地よく響き渡る。
僕たちは夜の海風に吹かれながら、夏美ちゃんの新しいバイトの話や、これからの季節の過ごし方について、楽しげに言葉を交わし続けた。
なぜこの病院が海に直結しているのか――それは、日光に怯えなければならない患者たちが、ほんの少しでも夏の気配や波の音を感じ、心の底から救われるための工夫だった。外の世界からこの海へやってくる一般の人は、わざわざ裏手の坂を登ってこの屋上を経由しなければならない構造になっており、病院と海が秘密裏に一体化していたのだ。
夜の闇に包まれた砂浜に足を踏み入れると、ひんやりとした砂の感触と、穏やかな潮風が僕たちを包み込んだ。
打ち寄せる波の音だけが響く静かな海原を背景に、僕たちは夜の砂浜に腰を下ろし、波のきらめきを眺めながら、改めてお互いの愛を静かに誓い合った。
世間の目も、病の影も、この瞬間の前ではすべて遠ざかっていた。
すると、背後の波打ち際のほうから、軽やかな足音が近づいてきた。
「ねえねえ、こんなところで何してんの?」
振り返ると、夏美ちゃんが満面の笑みを浮かべてそこに立っていた。
「実はさ、私、この海の家で夏の間ずっとバイトすることになったんだ!」
夏美ちゃんは明るく、弾むような声でそう告げた。しっとりとした夜の砂浜に、彼女の屈託のない笑顔と元気な声が心地よく響き渡る。
僕たちは夜の海風に吹かれながら、夏美ちゃんの新しいバイトの話や、これからの季節の過ごし方について、楽しげに言葉を交わし続けた。