パンデミック.新形コロナウイルス
夜の海の上にまで、どこか賑やかで不思議な声が届いていた。
ふと耳を澄ますと、この深い夜の闇の中であるにもかかわらず、どこからか「ウミネコ」の啼き声が聞こえ、陸の方からは「ジジジ……」と鳴くセミの声や、「カカカーカー」と鳴き交わすカラスの声が響いていた。
本来なら、カラスもセミも昼の太陽の下で活動し、夜には眠りにつく生き物たちだ。それなのに、なぜこの場所では夜に泣くのか。
それは、この病院の周囲に生きる動物や虫たちまでもが、XP(色素性乾皮症)を抱える人たちのことを理解していたからだ。
昼間の太陽を浴びることができず、夜にしか外へ出られない患者たちのために、生き物たちまでもが生き方を「夜型」に切り替え、まるで日本人らしい細やかな思いやりを体現するかのように寄り添っていたのだ。
「夜だからって、夏の音を諦めなくていいんだよ」
そう言わんばかりに夜空へ響くセミやカラスの声。夜風と波の音に混ざり合うその鳴き声を聞きながら、僕たちは夜の闇の中でもしっかりと「夏」を感じ、温かな世界に包み込まれていた。
ふと耳を澄ますと、この深い夜の闇の中であるにもかかわらず、どこからか「ウミネコ」の啼き声が聞こえ、陸の方からは「ジジジ……」と鳴くセミの声や、「カカカーカー」と鳴き交わすカラスの声が響いていた。
本来なら、カラスもセミも昼の太陽の下で活動し、夜には眠りにつく生き物たちだ。それなのに、なぜこの場所では夜に泣くのか。
それは、この病院の周囲に生きる動物や虫たちまでもが、XP(色素性乾皮症)を抱える人たちのことを理解していたからだ。
昼間の太陽を浴びることができず、夜にしか外へ出られない患者たちのために、生き物たちまでもが生き方を「夜型」に切り替え、まるで日本人らしい細やかな思いやりを体現するかのように寄り添っていたのだ。
「夜だからって、夏の音を諦めなくていいんだよ」
そう言わんばかりに夜空へ響くセミやカラスの声。夜風と波の音に混ざり合うその鳴き声を聞きながら、僕たちは夜の闇の中でもしっかりと「夏」を感じ、温かな世界に包み込まれていた。