パンデミック.新形コロナウイルス
ステージの上ででっかい猫がゴロゴロと愛嬌を振りまいていると、そのあまりの可愛さに、へたり込んでいた夏美ちゃんとニコルも思わず笑顔を取り戻した。
「もう、ほんとにマイペースなんだから……!」
夏美ちゃんがふっと息をつきながら笑い、でっかい猫の大きなお腹をポンポンと軽く叩いた。
すると、でっかい猫は「にゃーん」と満足そうに喉を鳴らし、さらに大きく体をくねらせて甘えてみせる。その平和で温かい光景に、砂浜に集まった全員の心がじんわりと解きほぐされていくようだった。
夜風は少しずつ冷たさを増していたけれど、海の家の電飾や色とりどりの花火の余韻、そして仲間たちの笑い声が、僕たちの体を芯から温めてくれていた。
未来の不安や、明日が来ればまた病院の白い天井を見上げなければならない現実なんて、この瞬間の輝きの前ではすっかり色褪せていた。
僕は隣に立つあかりの手をそっと握りしめた。あかりも僕の手をぎゅっと握り返し、波の音を聞きながら夜空の星を見上げた。
「ねえ、木田……すごく楽しいね」
あかりのその言葉に、僕はただ力強くうなずいた。
言葉にしなくても分かっていた。この夜の温もりと、みんなと共にあるこの奇跡のような時間が、僕たちの生きる支えになるということを。砂浜のパーティーは、終わらない夢のように、どこまでも優しく僕たちを包み込んでいた。
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