パンデミック.新形コロナウイルス
あかりをそっと抱き寄せ、静かに夜の海を見つめていると、不意に背後からガチャリと扉の開く音がした。
「お前ら、冷えてきたろ! ちょうどいいのを持ってきたぜ!」
振り返ると、あの風俗店の店長が、両手に大きなトレーを抱えて砂浜へやってきた。そのトレーの上には、湯気をもうもうと立ち上がらせる、淹れたてのホットコーヒーが人数分ずらりと並んでいた。
「夜の海風なめんなよ。特に病人連れは冷えるからな、これ飲んで温まれ!」
店長はそう言って、僕とあかり、そして近くにいたニコルや夏美ちゃんたちに、次々と熱々のコーヒーカップを配ってくれた。
カップの両手を包み込むと、凍えかけていた指先からじわじわと温かさが染み渡っていく。
「わあ、すごい……! こんなところでコーヒーが飲めるなんて思わなかった!」
あかりは嬉しそうに小さな両手でカップを持ち、ふーふーと息を吹きかけながら一口飲んだ。その頬にほんのりと赤みが差し、ふっと和らいだ笑顔を浮かべる。
「おいしいね、木田くん」
「うん、すっごく温まるよ」
冷えた夜風の中で飲むコーヒーは、どんな高級なカフェで飲むものよりも格別に美味しかった。
でっかい猫も「にゃーん」と物欲しそうな顔をして近づいてきたので、店長が特別にミルクを薄めたカフェオレを小さなお皿に入れてやると、大きな舌でぺろぺろと夢中で飲み干した。
コーヒーの香ばしい香りと温もりが、夏の夜の砂浜に広がる。
僕たちは温かいカップを片手に、再び波の音と星空へと目を向け、最高に満ち足りた時間を過ごし続けた。
「お前ら、冷えてきたろ! ちょうどいいのを持ってきたぜ!」
振り返ると、あの風俗店の店長が、両手に大きなトレーを抱えて砂浜へやってきた。そのトレーの上には、湯気をもうもうと立ち上がらせる、淹れたてのホットコーヒーが人数分ずらりと並んでいた。
「夜の海風なめんなよ。特に病人連れは冷えるからな、これ飲んで温まれ!」
店長はそう言って、僕とあかり、そして近くにいたニコルや夏美ちゃんたちに、次々と熱々のコーヒーカップを配ってくれた。
カップの両手を包み込むと、凍えかけていた指先からじわじわと温かさが染み渡っていく。
「わあ、すごい……! こんなところでコーヒーが飲めるなんて思わなかった!」
あかりは嬉しそうに小さな両手でカップを持ち、ふーふーと息を吹きかけながら一口飲んだ。その頬にほんのりと赤みが差し、ふっと和らいだ笑顔を浮かべる。
「おいしいね、木田くん」
「うん、すっごく温まるよ」
冷えた夜風の中で飲むコーヒーは、どんな高級なカフェで飲むものよりも格別に美味しかった。
でっかい猫も「にゃーん」と物欲しそうな顔をして近づいてきたので、店長が特別にミルクを薄めたカフェオレを小さなお皿に入れてやると、大きな舌でぺろぺろと夢中で飲み干した。
コーヒーの香ばしい香りと温もりが、夏の夜の砂浜に広がる。
僕たちは温かいカップを片手に、再び波の音と星空へと目を向け、最高に満ち足りた時間を過ごし続けた。