パンデミック.新形コロナウイルス
コーヒーの温もりが身体のすみずみまで行き渡るころ、東の空がほんのりと白み始めていることに気づいた。
夜が明ければ、太陽が昇り、あかりをはじめとするXPの患者たちは再び病室へと戻らなければならない。また長い夜が来るまで、光のない世界で過ごす時間がやってくる。
けれど、不思議と寂しさはなかった。
この夜、僕たちはこの砂浜で確かに太陽の代わりに星を浴び、潮風を感じ、仲間たちと笑い合い、最高に熱い音楽を共にしたのだから。
「そろそろ、戻ろっか」
あかりが名残惜しそうに、けれどすっきりとした晴れやかな顔で僕に言った。
僕はコーヒーの飲み干したカップを持ちながら、力強く頷いた。
「うん。また夜になったら、ここに来よう」
僕たちが立ち上がると、でっかい猫も「にゃーっ」と大きなあくびをしながら立ち上がり、先頭を切って病院の屋上へと続くスロープをトコトコと歩き始めた。その後ろを、夏美ちゃん、ニコル、そして風俗店の店長や仲間たちが笑顔で続いていく。
病院の屋上から海辺へとつながる、僕たちだけの秘密の道。
外の世界からやってくる人たちにとっては裏手の坂道かもしれないけれど、僕たちにとっては、自由と愛と夏が詰まった最高の往復路だった。
スロープを登りきり、病院の静かな廊下へと足を踏み入れる。
窓の外では、朝の光がゆっくりと世界を包み込もうとしていた。
たとえ昼の光がどれほど眩しくても、僕たちの胸の中には、あの夜の海の青さと、星のきらめきと、温かいコーヒーの香りが永遠に刻まれている。明日が来ればまた新しい夜がやってくる――そう信じながら、僕たちはそれぞれの部屋へと、確かな足取りで歩みを進めていった。
夜が明ければ、太陽が昇り、あかりをはじめとするXPの患者たちは再び病室へと戻らなければならない。また長い夜が来るまで、光のない世界で過ごす時間がやってくる。
けれど、不思議と寂しさはなかった。
この夜、僕たちはこの砂浜で確かに太陽の代わりに星を浴び、潮風を感じ、仲間たちと笑い合い、最高に熱い音楽を共にしたのだから。
「そろそろ、戻ろっか」
あかりが名残惜しそうに、けれどすっきりとした晴れやかな顔で僕に言った。
僕はコーヒーの飲み干したカップを持ちながら、力強く頷いた。
「うん。また夜になったら、ここに来よう」
僕たちが立ち上がると、でっかい猫も「にゃーっ」と大きなあくびをしながら立ち上がり、先頭を切って病院の屋上へと続くスロープをトコトコと歩き始めた。その後ろを、夏美ちゃん、ニコル、そして風俗店の店長や仲間たちが笑顔で続いていく。
病院の屋上から海辺へとつながる、僕たちだけの秘密の道。
外の世界からやってくる人たちにとっては裏手の坂道かもしれないけれど、僕たちにとっては、自由と愛と夏が詰まった最高の往復路だった。
スロープを登りきり、病院の静かな廊下へと足を踏み入れる。
窓の外では、朝の光がゆっくりと世界を包み込もうとしていた。
たとえ昼の光がどれほど眩しくても、僕たちの胸の中には、あの夜の海の青さと、星のきらめきと、温かいコーヒーの香りが永遠に刻まれている。明日が来ればまた新しい夜がやってくる――そう信じながら、僕たちはそれぞれの部屋へと、確かな足取りで歩みを進めていった。