3分遅れのアンダンテ
「……あっ!プレゼント!」
予想外の出来事で、最後に祈先輩へプレゼントを渡すはずだったのに忘れていた。
まだ間に合うかな?
更衣室の自分のロッカーからプレゼントを取り出して、店の外へと飛び出した。
「はぁっ、はぁっ……」
急いで出てきたけれど、もうそこに祈先輩の姿はどこにも見えなかった。
「ちょっと遅かったか……」
自分で思っていたよりも長く立ち尽くしてしまっていたらしい。
本当は今日渡すはずだったプレゼント。
でも、また明日チャンスがある。
祈先輩が見送りに来て欲しいと言ってくれた。
時間も教えてくれた。
明日こそは絶対に。