3分遅れのアンダンテ
ゆっくりと電車が進み始めた。
私も電車に合わせて歩き始める。
祈先輩に見えるように大きく手を振った。
電車は徐々に速度を上げて、あっという間に姿が見えなくなった。
祈先輩が行ってしまった。
でも、"サヨナラ"じゃなくて"またね"と言ってくれた。
祈先輩が私のことを好きだと言ってくれた。
そんな夢のような話はありえないってずっと思ってた。
祈先輩にまた会える。
サヨナラなんかじゃない。
また会える日を楽しみにしてます、祈先輩。
私たちの恋は、ゆっくりと、まだ歩き始めたばかり。
─Fin.─


