もう誰かを愛せはしない
◆プロローグ◆

 

私、高柳メイサ(たかやなぎ めいさ)と神崎礼羽(かんざき らいは)は高校が同じで


これまたクラスが3年間一緒で



3年も同じ空間にいたら仲良くもなるワケで


気付いたら私は彼に惹かれていた。





礼羽の八重歯を見せて笑う可愛い笑顔に、切れ長の目。


無造作な黒髪に低くて優しい声、高い身長。





その全てに惹かれたけど、一番好きだと思ったのは


礼羽から香る匂いだった。




香水と煙草、汗の匂いが混じった男の人の匂い。



礼羽だけの匂い。





香水や煙草の匂いは鼻について嫌いだったけど


礼羽から香るなら好きだと思えた。





それにその香りがすると礼羽が隣りにいるのだと感じられるから


大好きだった。
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