もう誰かを愛せはしない
唇を離されて固まっていると礼羽が耳元に口を寄せた。


吐息が耳に掛かる。




「…俺もメイサが好きだ。俺の彼女になれ。後悔はさせない」



低くて甘い声で囁かれて、雷に撃たれたかのように全身に電流が走った感覚に陥った。



何故か震える体を堪えて、ゆっくり頷いた。


礼羽は優しく微笑んでくれる。




これは夢じゃないよね?




「俺さ、大学生になったら一人暮らしするつもりでいるんだ」

「一人暮らし?」

「そっ。でも一人じゃなくてメイサと暮らしたい。…だから一緒に暮らさないか?」




それが同棲生活の始まりだった。




実家から通える距離の大学だし、男と暮らすなんて親が許してくれるワケもなく


私は家出のように実家から出て、礼羽と暮らすようになった。





ここまで育ててくれた両親、多額の学費だって払ってくれた両親。


罪悪感はあったけど
私はもう止まらなかった。






何かを失っても
何かを犠牲にしたとしても



私は…

礼羽のそばにいたかったの。
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