もう誰かを愛せはしない

2・指輪の理由

「ライハ!起きて!!行くよ!!」

「うーん…。今日日曜日だろ…」



ある日曜日の朝。

布団の上で大の字で寝ている礼羽を叩き起こした。




「今日スーパーの特売の広告が入ってたの!卵がお一人様たったの98円だよ!?あと、パンもお肉も野菜も衝撃のお値段なの!!」



私が興奮しながらチラシを掲げると、礼羽は面倒くさそうに体を起こした。



ちょっと主婦みたいで恥ずかしいけど、貧乏生活を少しでも和らげる為には、恥など捨てねば!




「今、8時でしょ?スーパーの開店は9時だから早く支度して行くよ」

「はいはい…」



礼羽は大きなあくびをして起き上がると、顔を洗いに向かった。




礼羽は面倒くさがりだけど文句は言わない。


だから私達はうまく行ってるんだよね、きっと。




「支度出来たぞ」

「よし、じゃあ行こっか」



火の元を確認して鍵を締め、5月の暖かい春の風に包まれながら私達は手を繋いでスーパーまでの道のりを歩いた。
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