もう誰かを愛せはしない
あ…

ケーキの存在忘れてたよ。



「ありがとう、ライハ。嬉しい」

「いや…。ただ俺が食いたくなっただけだ」



そんな事言って。

赤くなりながら言っても意味ないよ、礼羽。



本当素直じゃないなぁ。




「それより早く食べよう。ハンバーグ冷めちゃうよ」



テーブルにご飯とハンバーグ、ケーキを並べると私と礼羽は腰を下ろした。



テーブルが小さいからか、実家にいた時なら普通の晩御飯もごちそうに見える。




「それじゃあ同棲1ヶ月記念と私の誕生日を祝って…乾杯♪」



私達は麦茶の入ったグラスを重ねた。




礼羽はポロポロの豚肉ハンバーグをほじくると、口に運ぶ。



「ど?美味しい?」



そう問い掛けると、礼羽は口の中をモゴモゴ動かしながら険しい表情をした。




え?何で!?
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