裏はないちもんめ〜禁じられた少女たちの遊び〜
 そして数分後。


「新菜……ありがと……」


 モップを手放した遥は、まるで別人のように背中を丸めている。


「いや、遥の方が……ありがと」


 その背中は傷でいっぱいでお世辞にも無事とはいえない状態だったけど、遥の足元に転がる赤と青の残骸は間違いなく遥の勝利を示していた。


「まさか消えちゃうとは思わなかったけどね」


「そうだね……」


 その言葉通り、カミサマは着物だけ残して中身の青白い少女の姿はなくなっていたけど。
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