Magic Love Sea〜俺がお前のこと、攫ってやるよ〜
婚約者の前でもこんな可愛い姿を見せているのか、とディートフリートは切なくなった。それでも気持ちを止められず、ミラの頭にキスを落とす。ミラは一瞬驚いたものの、幸せそうに微笑んだ。

「マジック、相変わらず上手なんだね」

「ああ。よく船にいる子どもたちに見せている」

そんなのことを話していると、バタバタとカフェに二人の人間が飛び込んできた。オーウェンとラナだ。

「ディートフリート!大丈夫なの!?」

「街の鳩がこのカフェに集まってたから様子を見に来たぜ!!」

海賊の登場にミラが顔を強張らせる。ディートフリートは慌てて「大丈夫だ!ミラ、こいつらは俺の仲間だ」と言う。ラナは「わあ!写真で見るより可愛い〜」と目を輝かせた。

「私、ラナ・マグノリア」

「俺はオーウェン・ハザリー。よろしくな!」

「ミ、ミラ・バートレットです。よろしくお願いします」

緊張しながらミラも自己紹介をし、二人と握手しようとする。それを微笑みながらディートフリートは見ていたが、突然「私の婚約者に触れるな!」と低い声が響いた。
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