Magic Love Sea〜俺がお前のこと、攫ってやるよ〜
「あんたって見かけによらず嘘が下手くそなのね。あんたに雇われた海賊たちはあんたよりも賄賂を渡したらあっさり話してくれたわよ」

ラナがそう言うと、「どう言うことかね?」とミラの父がヘンリーに詰め寄る。ヘンリーが顔を青くしたまま後ずさった隙に、ディートフリートはミラを優しく抱き寄せた。

「ミラ、ずっとこうしたかった」

「私もずっと待ってた」

二人は微笑み、見つめ合う。ディートフリートがパチンと指を鳴らすと白い花びらが大量に天井から降ってきた。教会内は一瞬にして花びらに注目が集まる。

花びらが天井から降らなくなった頃、ミラのドレスは青いドレスから白いドレスに変わっていた。レースのたっぷりついたプリンセスラインのドレスだ。頭にはティアラが乗せられている。

「やっぱり教会には白いドレスだろ?」

ディートフリートが笑うと、ミラが「それって……」と顔を赤くする。ディートフリートはミラの口に一瞬自分の唇を重ねた。
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