痛み無しには息ていけない
VI

~零~

暗闇の中、床に座り込む自分にだけ光が当たってる。
周りには何も見えない。
無数の声が聞こえる。


「何でオマエが生きてるんだ」

「彼女の方がオマエより、よっぽど頑張って生きてたのに、何で彼女が死んで、何もしてなかったオマエがまだ生きてるんだ」

「オマエの目の前に彼女が居たのに、何で庇えなかったんだ」

「オマエは目の前の一人も守れないのか」

「誰も守れないオマエに、誰かを愛する資格も、愛される資格も無い」


誰が言っているんだ!せめて顔くらい見せろよ!
真っ暗になった。何も見えない。


「うわああああぁぁぁぁぁぁぁ……!!」


自分の叫び声が響いた。
叫びすぎて、喉が焼けそうに痛かった。
それでも顔の見えないバッシングは、止まる事無く聞こえ続けていた。
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