【修正版】クールで無表情な同期が十年間恋情を患っていた理由
――彼女こそが、僕がこの会社にこだわる理由だ。
彼女は少し変わっている。
こんな淀んだ企業の中で、常に全力でクライアントに寄り添い、多忙の中、いつも笑顔でひたむきだ。
正直機転の利く僕には、ここで、全力で注ごうなどとする意味がわからなかった。
相手は、自分たちをコマのようにしか考えていない企業。
ある意味容量よく、ドライにこなすのが鉄則だと思ってきた。
けれども、一生懸命な彼女を見てるうちに、しだいに心改めるようになり、目が離せなくなった。
そう――僕は彼女に叶わぬ恋をしている。